きょうとグリーンファンド

太陽光発電 Q&A

Q.どんな仕組みで発電するんですか?

A.太陽電池は光を直接電気にかえることができます。

太陽電池は、電気を少しだけ通す半導体と呼ばれる物質からできています。半導体は主にシリコンの結晶でできていますが、太陽電池はプラスとマイナスの性質を持った2種類の半導体が貼り合わせてあります。この半導体に光があたると、光のエネルギーによって電子が自由に動けるようになります。 この電子が一方の側に引き寄せられ、結果として貼り合わせた半導体の両側にプラスとマイナスの電気がたまり、両端をつなぐと電気が流れるということになります。光がある限り発電は続きます。
このように、光さえあればどこでも電気を作ってくれる太陽光発電にはいろいろな特徴があります。

1. 太陽の光で、光があたる所どこでも発電できます。
2. いろいろな発電規模に応じて様々に使い分けができます。
3. 火力発電や原子力発電、大規模な水力発電のように環境に大きな負荷を与えません。
4. 太陽の光が源なので、資源が枯渇する心配がありません。

Q.曇りや雨の日は発電しないんですか?

A.曇りで約3割、雨の日で約1割を発電します。

発電量の大きさは日射量に左右されるので、確かに発電量は減りますが、まったく発電しないわけではありません。曇りの日で晴天日の約3割、雨の日でも約1割は発電します。

Q.1年間でどのくらい発電しますか?

A.3kWの太陽光発電システムで、年に約3,000kWh発電します。

一般的な住宅用の太陽光発電システムは3kW、システムの年間の発電量は約3,000kWhといわれてます。これは平均的な家庭の年間の電力消費量の約80%に相当することになります。あまった電気は電力会社が買い取ってくれます。

Q.屋根にのせても負担はないですか?

A.太陽電池は意外に軽いのです。

太陽電池は、取付架台を含めて1平方メートル当たり約20kgです。瓦の重さは1平方メートル当たり約60kgあります。それと比較するとかなり軽い重量です。むしろ心配は屋根の雨漏りです。こちらは、各メーカーとも気をつかっていて、施工店に必ず講習を義務づけています。また、最近はシステム保証をするメーカーも多く、メーカー指定の部材、工法で工事を行えば10年保証するという体制が整いつつあります。

Q.どんなメンテナンスが必要ですか?

A.太陽電池は手間いらずです。

太陽光発電には機械的に作動する部分がほとんどないので、故障の心配はあまりありません。そのため、朝日が昇れば自然に発電を始め、日が落ちれば発電を止めます。メンテナンスも簡単で、太陽電池の表面についたほこりなどの掃除は、日本では雨が降るのであまり必要ないといわれています。つまり、太陽電池は手間いらずなのです。

Q.何年くらい使えるんですか?

A.太陽光発電パネル自体の寿命は20年以上とされています。

現在、太陽電池の耐用年数は、設計寿命、期待寿命が20年以上とされています。太陽電池そのものの寿命は原理的には半永久的ですが、つないでいる金属線や付属のプラスチック材料が劣化してくるのです。

Q.廃棄するときはどうなりますか?

A.リサイクルを研究中です。

太陽電池の構成部材は、セル(シリコン半導体)、ガラス、アルミ型枠、セルを密封するためのEVA(エチレンビニールアセテート)樹脂です。ガラス、アルミは既にリサイクルされています。EVA樹脂は現在のところ廃棄しなければならないと思いますが、セルは貴重品ですので再利用が研究されています。太陽電池が大量に廃棄される時期が来るまでには、廃棄マニュアルが完成するだろうと言われています。現在はまだ大量に廃棄する太陽電池が出ていないのです。
一方、太陽電池のリサイクルは既に取り扱う業者も出てきております。今後リサイクル市場が活発になる可能性もあります。

Q.太陽電池のお値段は?

A.値段の高さは否めませんが、一般家庭にも手の届くものになりつつあります。

新エネルギー財団のデータによると平成17年度の平均価格は68.4万円/kW(税抜)となっています。価格はこの10年でかなり低下しましたが、それでも値段の高さは否めません。
また、太陽光発電の寿命を20年で計算した場合、利子や保守費用まで含めた発電量あたりのコストは47~63円/kWh程度となります。そのため、現在の一般家庭向けの電気料金と比べても割高になり、現状でのコスト回収は難しい状況です。
しかしながら、国の制度が変わりドイツやスペインなどのように、太陽光発電でつくられた電気の買い取り価格が発電原価を上回れば、太陽光発電を設置しても損をしないどころか収益を上げることも可能になります。地球温暖化防止のために、日本でもこれらの制度の導入が望まれます。

Q.どのくらい地球温暖化防止に貢献できるんですか?

A.石油762リットル、ニ酸化炭素2,070kgCO2の削減に貢献できます。

3kWシステムで、火力発電所に置き換えると年間に石油762リットル、二酸化炭素2,070kgCO2の削減に貢献することができます。
また、発電時だけでなく生産から廃棄までのライフサイクル全体で評価することも必要です。
エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time:EPT)とは、製造時にかかるエネルギーを発電によって取り戻すまでの時間をいいます。1999年頃の日本での調査では、多結晶型で1.4~1.5年、アモルファス型で1.0~1.1年とされています。
(CO2排出量の算出根拠:中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会(平成14年7月)火力:0.69kg/kWh)

Q.設置の方位や地域によって太陽光発電の発電量は変わってくるんですか?

A.太陽光発電の発電量は設置する方位や地域などの条件により異なってきます。

設置面の方位による日射量は、南面を100%とすると、東、西面は約85%前後、北面では、約60%程度になります。また、建物の周囲に影ができる障害物があると発電量は低下します。日射量については、地域によって差はあるものの、設置が問題となるほどの違いではありません。

【地域別発電量の比較】

地域 青森 金沢 松江 京都 東京 福岡 広島 仙台
発電量
kWh/年
3986 4001 4058 4067 4104 4134 4151 4207
比率 0.98 0.98 1.00 1.00 1.01 1.02 1.02 1.03
地域 札幌 大阪 長野 鹿児島 那覇 名古屋 静岡 高松
発電量
kWh/年
4287 4292 4312 4387 4466 4503 4557 4571
比率 1.05 1.06 1.06 1.08 1.10 1.11 1.12 1.12

*京セラHPデータより作成
*比率は京都の発電電力量を1とした場合の値
*3.8kWの太陽光発電を方位角真南、傾斜角30度にて設置した場合のデータ